「我が顔を見る時」 版画家幻(まぼろし) 一(はじめ)
この世は、欲界と言うが、つらつら、日常を振り返ると、欲界にまみれ、後ろ指を差されそうなことばかり。大人の面構えを見習うべくも無く、面が大きくなり、面の皮が厚くなり、こころに仮面をかぶり、面で人を切る事態を起こし、面目を無くすことも多くなりがちだ。この世は、それを避けて通れないのが人生、と自問自答の日々。顔が歪み、複雑な皴が増え、その皴が深くなるばかりだ。 見たくない自分を見るほどいやなことは無いけれど、たまには、朝の洗顔の折に、鏡の前で、わが顔をじっと見つめ、「こころの仮面」を取るのも修行のひとつかもしれない。ただ、五十年前は、我もわらべの時が有ったはずなのに、その面影は、いずこへ、といった思いになる矢も知れないが、それも仕方が無い、我が顔だもの。自分へ合掌し、無事に今日あるのが有難い、父母が有難いと感謝。 「わらべの笑顔」 版画家幻(まぼろし) 一(はじめ) 子供の頃、京都を南北に流れる加茂川の近くに家があり、大文字焼きの一つである船山の裾にあった、田圃の真ん中の小学校に通った。その頃、山、川、田圃、道路等など、どこでも、外は、みんなの遊び場だった。凧揚げ、駒まわし、缶蹴り、石蹴り、めんこ遊び、縄跳び、馬乗り、かくれんぼ、魚釣り等など。遊びに忙しく、勉強する暇がなっかた。家の中で遊ぶ子供は、あまりいなかった。 初夏、加茂川に鮎の遡上が始まると、川原にある細竹を切って竿にし、素がけで稚鮎を釣り、誰もいない近くの友達の家で、稚鮎を天婦羅にして食べた。 夏休みには、朝早くから友達と川に潜り、 手づかみの魚とりに夢中になった。夕刻には、大人の真似をして手ぬぐい下げて長風呂(川が長いから命名したのだと思う)に行った。朝から晩までずっとパンツとランニングで過ごした。身体は、真っ黒に輝いていた。 秋には、おやつ代わりに、山葡萄や山いちごなどを食べに船山に登った。また、全校生徒で船山の山裾から皆が大声を出しながら山を駆け登り「兎追い」をしたこともあった。 ほんの、五十数年前の懐かしく楽しい思い出だ。喧嘩もしたが、みんなの顔に笑顔が溢れていた。今のわらべは、どうだろう。 #
by hajimerakan
| 2006-04-16 16:09
| 幻 一徒然帖
2011年 展覧会・講演の予定(4月25日現在)
「東日本大震災」で被災された方々に、こころよりお見舞いを申し上げます。 一日でも早い復興をこころよりお祈り申し上げます。 今年一年、「ひがし日本大震災義援金チャリティー」展覧会として被災された方々が 「笑顔の花が咲く」ことを願って全国各地を巡ります。 ぜひ、会場にお運びいただき、共に「被災地復興のこころの輪」を広げていただきたいと思います。 5月11日(水)~5月16日(月) 京丹後市峰山地域公民館「羅漢さん展」 5月16日(月) 峰山高齢者大学開講記念講演 5月28日(土)~5月31日(火) 宇治市広野公民館「羅漢さん展」 6月1日(水)~3日(金) 宇治市広野公民館、木幡、宇治、小倉各公民館巡回 幻 一「こころの談話室―羅漢さん喜怒哀楽」講座 6月8日(水)~12日(日) 愛媛県八幡浜市立市民図書館2階ギャラリー「羅漢さん展」 8日(水)、9日(木)、10日(金) 11日(土) 会場にて 幻 一「こころの談話室―羅漢さん喜怒哀楽」講座 6月23日(木)~6月26日(日) 奄美文化センター 「青木有利子 備前焼 と 幻 一 2人展」 6月30日(木~7月3日(日) 喜界町中央公民館 「羅漢さん展」 7月26日(火)~7月31日(日) 東大阪市 「らく楽三人展」 備前焼 青木有利子 木工家具 綿貫俊夫 木版画 幻 一 8月16日(火)~8月22日(月) 姫路市 山陽百貨店5階美術画廊 「羅漢さん展」 #
by hajimerakan
| 2006-04-13 12:28
| 展覧会・講演会予定
1942年 京都に生まれる。 1965年 モダンアート展入選。それを機に、作家活動を始める。 1970年 京都府立文化芸術会館にて初個展。 京都の版画専門ギャラリー・平安画廊にて個展。1997年まで毎年開催。 以降、現在まで毎年全国各地で個展開催。 1974年 アメリカ・ロサンゼルスで海外の初個展。 1977年 アメリカ・ロサンゼルスのビバリーヒルトンホテルで個展。 1981年 京都・平安画廊にて「羅漢さん」の第1回個展。 オランダ、アムステルダムにて「羅漢さん」展。 1982年 カナダ・モントリオール・ジャパン・クラフト主催「型染タペストリー」展。 1983年 大阪・阪急百貨店主催「幻 一の世界」展。 1987年 佛教大学四条センター主催「羅漢さん」展。 1988年 京都市内より日本海に面した丹後・網野町に居を移す。 1989年 イギリス・ロンドン三井物産<ギャラリー>主催「羅漢さん」展。 1990年 KRP京都リサーチパーク主催、五百羅漢十周年記念「百羅漢展」。 1991年 山形県鶴岡市・致道博物館主催「羅漢さん」展。 1992年 こころの森美術館」建設を発願。 五百羅漢作品、400体目完成。 日本テレビ取材番組「宗教の世界」にて全国放映。 1993年 オランダ・ING Bank主催、オランダ各地で巡回展を開催。 春秋社より、木版画集「羅漢さん」出版。 1995年 メキシコ・グアダラハラ大学「世界200人アーティストの版画展」 に招待作品展とワークショップ講座を開く。 札幌市民ギャラリーにて北海道で初個展。 1997年 五百羅漢作品、500点すべて完成。京都府、丹後一市十町の 各教育委員会後援で丹後・久美浜町、網野町、京都市、名古屋市、東京、 鹿児島市などにおいて 「五百羅漢全像完成記念展」を開催。 1999年 2月~3月 国際交流基金芸術家派遣事業により、グァテマラ文化 スポーツ省主催・日本大使館主催展、メキシコ国立版画美術館、 日本大使館主催で巡回展。 4月 ニューヨークのカーネギーホール前の日本クラブ主催で展覧会を 開催し、好評を博す。N.Yジャパン・ソサエティ招請によりニューヨーク の芸術ハイスクル2校で講演とワークショップ開講。 2001年 アメリカ・ウィスコンシン大学ホワイトウォーター校招待展覧会。 ウィスコンシン芸術ハイスクル2校でワークショップ開講。 地元小学校で交流会「顔とこころ」講座 2002年 「こころの森国際版画展」提唱。丹後、京都の有識者を中心に実行委員 会設立。「こころの森国際版画展」は、「こころの森ネット http://www.cocoro-no-mori.net」 上で作品発信、 実際の版画作品を各地で展示して、将来ある子供たちの豊かな こころを育むとともに、世界の平和を願い開催。 11月 日本蘇生学会20周年記念大会 記念講演「顔とこころ」 12月 台北・大本山佛光山寺主催。 佛光縁美術館で1ヶ月の展覧会開催。 子供達に版画ワークショップ開き大好評を博す。 2003年 「画廊 羅漢さん」開廊。「こころの森版画クラブ」開設、 各地の子供たちに版画教室を開く。 2004年 画業40周年記念全国巡回展 ( 東京、四国中央市、姫路市、鹿児島市、 奄美・名瀬市、京丹後市、大阪・吹田市 ) #
by hajimerakan
| 2006-04-05 06:06
| 展覧会・講演会予定
「羅漢酒」
「幻 一の墨彩画手描きラベル。現在、発売以来、2500点突破! ギネスに挑戦中! 羅漢酒は、”酒が飲めぬと会員になれぬ??”といわれている、幻 一後援会恒例の『羅漢まつり』の際、ある酒羅漢の「祭り用の酒がほしいなあ」の一声で造ることとなった。酒を造るとなると醸造元が必要だ。が、心配無用!ちゃんと会員の中にそれがあった。京都府北部・丹後半島の京丹後市弥栄町の竹野酒造だ。この蔵は、全国の酒通が知る人ぞ知る”弥栄鶴”の銘柄で有名な酒蔵だ。今年の全国の新酒の品評会で7位になった。 ご注文は、「竹野酒造」へ! 「禅のことば集」 「酒飲みのことわざ集」 #
by hajimerakan
| 2006-04-04 07:13
| 「羅漢酒」画箋集
人生を生きるには 一笑一若一怒一老 「免疫力を高める「笑い」は、ほんわか和み楽しいもんでないとあきまへんで」 「品のええ頓智の効いたで言葉こそ効果がでてくんにゃがな」 「今のテレビ見てみ、ほんまに情けないで。バラエティーといわれる番組で、一人のタレントによってたかっていじめたり、けなしたり、辱めたりする言葉を言ったり」 「中傷したり、人を馬鹿にするような事をするのが人気もんやって」 「当たり前やけど、そんなもん芸」とはいえんわなあ」 「免疫力は、かえって怒りで落ちまっせ」 「情けないし、悲しいこっちゃなぁ」 「今、学校や社会で問題になっている「いじめ」は、こんなテレビの世界を写してんにゃろなぁ」 「みんな、体もこころもテレビ漬けで、漬かりすぎ漬け物みたいにグニャグニャや」 「笑う門には福来ると、いうけど」 「今、医学会では、がんの治療法に、「笑い療法」というのがあるらしいで」 「これは、文字通り笑うことでがんの進行を抑えようというもんやって」 「患者さんが漫才や喜劇など見たりして積極的に生活に笑いを持ち込むと、がん細胞が小さくなるらしいわ」 「ほんまに、笑う門には福来たる、やなあ」 「当たり前やけど、後ろを振り向いてばかりいたら、これからの人生がようなるはずがありまへんわなぁ。これからの人生を行く道は、2つに1つ。あんさんは、ドッチや!人生には、往復切符は、ありまへんでぇ!」 「その1は、こそ、の人生」 「不況だからこそ、仕事が困った時こそ、これは自分の実力を知るいいチャンスやと、前向きに考えて、笑って元気に自分を奮い立たせて、生きがいと張りをもって生きる道を選んだら、人も集まり、免疫力も高まり病気も逃げていく、というこっちゃ」 「その2は、たら、の人生」 「あれがなかったら、こんなことやったら、もうあかん、明日からどないしょ、と後ろ向きになって、諦め過去を見て生きる道を選だら、友達も逃げて一人ぼっちになるし、免疫力も弱くなり、こんなことしてたら、病気になってしまいますわなあ」 「だれでも、人生一回切りや、ゆっくり楽しんで行きなはれや」 「顧みて、健常者とは」 昨年の秋、ある展覧会の会期中、友人のご縁で精神科の病院で入院患者の皆さんに版画をお教えする機会があった。参加者は、二十代後半から七十代後半の男女約二十名。 その講座は、フエルトの布とカッターを使ってする、約二時間の版画講座。その日は、それぞれ思い思いの絵を版画にし、皆さんが漉いた和紙に摺った。摺り終えて、紙を表に返す時、皆さんの笑顔が弾けた。他の講座の時は、一時間もすれば飽きて部屋に帰ったり、落ち着かずうろうろする人が多い、と婦長さんにお聞きしていたのに、当初予定の二時間を超え、昼食時間を一時間以上過ぎても、誰一人教室を去る人もなく、皆さん熱心に取り組んだ。最後の人の作品が出来上がるのを待ち、声を掛け励まし合った。出来上がった時の皆さんの歓声と無邪気な笑顔、純粋無垢な瞳の輝きが忘れられない。 それぞれ誇らしげに手に持った素晴らしい作品。満面の笑顔。皆一緒にハイ!チーズの記念写真は、昨年一番の思い出となった。嬉しかった。愉しかった。有難い出会いであった。 大きな拍手と皆さんの笑顔に送られてお別れ。思わず目頭が熱くなった。別れ際にある患者さんが来年は私の横のベッドを開けておくから待っています、との言葉に皆大笑い。 今回、講座で出会った方々に、日常、「健常者?」と、いわれる我々が、社会生活をする中で、何が大事かを問いかけられたように思った。 #
by hajimerakan
| 2006-04-03 17:03
| 幻 一こころの談話室
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