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います、高知のひろめ市場

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久しぶりのひろめ市場!土曜日なので、朝から賑やかだ!軽く朝酒、いいもんだ!
# by hajimerakan | 2011-05-07 11:16 | 幻 一こころの談話室

絵本「わらべとチャチャの般若心経」幻 一自由訳 英語併記版

    
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    A5版 104ページ カラー( 1000円 税込・送料別 )
ご購入ご希望の方は、maborosi@aurora.ocn.ne.jp 左記のメールでお申し込みください。  


絵本「わらべとチャチャの般若心経」 幻 一自由訳
           英語併記版出版にあたり

「 おかげさま 」

 一昨年6月、東京都杉並区のかん芸館の展覧会で駒澤大学名誉教授荒井良雄先生とご縁をいただきました。
 その折に、「この本は世界に平和を呼び覚ます絵と新訳だ。そのため、英文版にするべきだと」お褒めいただきました。
 おかげさまで、荒井良雄先生監修、ダニエル・がリモア先生英訳で、今年六月に英語併記版を出版することができました。   
 荒井良雄先生は、1935年 京都生まれ。学習院大学教授を経て駒澤大学名誉教授。専門はシェイクスピアや英米演劇映画研究で、50冊を超える著書があります。グローブ栄誉賞(英国)、日英協会賞(日本)などを受賞されています。
 ダニエル・ガリモア先生は、1966年ロンドン生まれ。オックフォード大学文学博士で、現在、日本女子大学准教授。芭蕉や日本の演劇文化 やシェークスピアに関する論文を多数発表されています。
 この絵本で、世界に平和の花が咲くことを祈念しています。


                              

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# by hajimerakan | 2010-06-20 16:08 | 幻 一の著書あれこれ

養父町の仙桜

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兵庫県の養父町の仙桜・せんざくら・を見に行きました。樹齢1000年余の江戸ひがん桜です。今は、七分咲き!今週いっぱいで桜吹雪に会えるでしょうかね?
# by hajimerakan | 2010-04-06 15:44 | 幻 一こころの談話室

お静かに一杯

「雨もまた良し 」

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 「よおー、今日はえらい早いなあ」
 「何や、自分こそこんな早う」
 「まだ準備中どすえ、なんどす、お二人揃うてこんな早よう」
 「たまには、この汚い店の掃除でもせんと、お客さんに失礼やと思うて。今日も雨やし」
 「付けの代わりに、掃除でごまかそうと思はってもあきまへんえ」
 「私はちがいまっせ。昨夜一緒に飲んだあと、あの大雨の中、えらい剣幕で歩いて帰ると言い張ったんで、ほったんが気になって」
 「いあー、あの雨の中独りほって帰らはるやなんて、冷たいお人」
 「あっ、やっぱり。こちら、そんなお人やいうことがやっと判ったやろ、女将はん。もうあんまり相手にしたらあきまへんで」
 「あれだけ、一緒に帰ろいうてんのに」
 「ずぶ濡れになったやろ、かわいそうに」
 「同情さしまして、えらいすんまへん。実は、あれから、ええお人にばったりと。そのお人ともう一軒。美味しおしたえ、楽しおしたえ。雨もまた良しどんな」       
 「あーあー、かなんなあ女将はんには」


 

「大事なお人」
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 「今日は、朝から大変やったわ」
 「大変って、なんでや」
 「大変って、何か悪いことでも」
 「悪いことなんかありまへん。朝から東京のお客さんを祇園祭にご案内で」
 「お客さんやて。珍しい、なあ」
 「ほんまどすなあ。お客さんって」
 「東京から綺麗なお人が来はったんや」
 「またまた、女将はんを差し置いて、綺麗なお人やって。今夜は嵐やで、女将はん」
 「わざわざ東京から来はったんどっしゃろ。何で、今夜ご一緒しはらしまへんのどす」
 「何でや。大事な女将はんに紹介しても罰が当たらんと思いますけど、なあ女将はん」
 「今夜は東京に用事があるいうて、帰ってしまはって、残念ながら」
 「女将はん、よっぽど内緒にしときたいんやわ。なんにもせえへんんのになあ」    
 「でも、祇園祭の山鉾巡行を全部見たんわ初めてや。今日は天気良かったし」
 「よろしおしたなあ。その綺麗なお方のおかげどすなあ。大事におしやすな」
 「しかし、それ昨夜の夢と違う」






「六道さんへ」
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 「相変わらず暑いなあ」   
 「かないまへんなあ、この暑さ」    
 「ほんまに、たまらんわ。女将はん、早ようキンキンに冷えたビール、ビール」
 「よい鳥はばたつかんといいまっせ」
 「どうでもええけど、乾杯しまひょいな」
 「そうどんな。ほな乾杯」
 「乾杯。ううーん、やっぱりこの一杯」
 「ところでお宅はんら、もう六道さんにお参りに行かはりましたか」
 「ああ、まだやわ。明日にでもご一緒しまひょか。帰りにご飯食べでもどうです」
 「おおきに。何処でお会いしまひょ」
 「わしもご一緒しまっさ」   
 「そやけど、子供の頃、夕暮れ時、夜店につられ、母と六道参りに行ったけど、あの蝋燭の明かりに揺れるあの地獄絵を見た時の怖さ、今でも忘れられへんわ」   
 「六道さんの門前は、あの世とこの世の分かれ道、と聞かされて」
 「話しかわるけど、女将はんと飲むと、いつもあの世とこの世の分かれ道みたいや」
 「なんどす。もうご一緒しまへんえ」



「いけず」
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 「きょうから都おどりか」
 「都をどりの提灯に灯が入って、宵になると、なんやそわそわするなあ」
 「なにをいまさら。年中そわそわ、ごそごそしてるお人が、なあ女将はん」
 「ほんまどす、昨日も花見小路でお見かけしましたえ」
 「エッ、何で一声掛けてくれへんかったん」
 「いゃあ、よろしおしたんか、横にお若いお人が寄り添っていはったのに」
 「誰や、若いお人って」
 「ただの仲には見えまへんでしたえ」
 「女将はん、かなんなあ、あれは、わしの姪っ子やがな」
 「またまた、見え透いたこというて。かないまへんなあ、女将はん」
 「お二人とも、もうええやろ。それより乾杯せんと」
 「女将はん、しゃあないし乾杯でもしまひょか、とりあえず、乾杯」
 「その姪っ子はんに乾杯」
 「おたくら二人、京のいけずの典型やなあ」
 


「大石忌」


 「そろそろ桜がちらほらと」
 「二,三日前に円山歩いていたら枝垂れの蕾もだいぶん膨らんでたで」
 「明日二十日どっしゃろ」
 「二十日いうたら一力で大石忌と違うか」
 「大石はんが切腹しはったんが元禄十六年二月四日」
 「明日は三月二十日やで」
 「うーん、わからんか。あれは陰暦や」
 「今の暦で明日がその日になんのどっせ」
 「そうか。まあどうでもええけど、乾杯、乾杯。女将はん熱燗まだか」
 「乾杯いうたら目の色かえはって、かないまへんなあ」
 「女将はんも目の色変わってまっせ」
 「来週は、花見もせんならんし、前祝に乾杯。うーん、やっぱりこの一杯、たまらん」
 「その大石忌ってどんなことしはんにゃ」
 「大石はんを偲んで、井上八千代はんが「深き心」、あと芸妓や舞妓はんらで「宿の栄」ちゅう舞を手向けはるのんどす」    
 「へエー、さすが祇園で大散財しはった大
石はん。あの世に行っても、もてますなあ」

  
       

                                                                                                                                                                                                                                            「師走のお足」
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 「ああーさむー」
 「外は、みぞれまじりに雨やでー」
 「へえー、そうどすか。昼に錦に買いもんに行ったとき、あんなええ天気どしたのに」
 「もう十二月。先生も走らはるし、我われも走る時期や。みぞれ降っても当たり前」
 「あんたはんらまで走らはんかて」
 「われわれかて、ちょっとは走りまっせ」
 「ちょっとは忙しいときかてあるわなあ」
 「お忙しいのは懐具合とちがいますか」
 「えらいいわれかたや。今日は、懐が温かいさかいお支払いでもと思っていたのに」
 「おお、珍しい。なんかあったんか」
 「まあまあ、先ずはカンパイ、カンパイ」    
 「うう、寒いとやっぱ熱燗やなあ」
 「おいしおすなあ、このいっぱい。ところで、さっきおいやしてたお足のこと、ほんまにどうしはったんどす」
 「女将さんまで、いわんといてんか。わしかて仕事してんにゃさかい」
 「ほな、気にせんとよばれよか」
 「お二人分おたのもうします」






「事始め」
 
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 「おめでとうさんどす。今年もよろしゅうおたのもうします」
 「おめでとうさん。こっちこそ」
 「事始めに、まあ、どうぞ」
 「あっ、おおきに、青竹のお酒か。うう、なんともいえんなあ、この香り・・・、ウー旨い」
 「おいしそうにお飲みやすこと」
 「これを飲まんと、お正月を迎えた気がせえへんなあ、ほんまに」
 「十二月にこのへんの芸妓はんや舞妓はんが、鏡餅を手にお世話になった方々のもとへ挨拶に行く、事始めみたいに・・・」
 「お正月に女将はんのとこへのご挨拶いくのが、わしらの事始めや」
 「鏡餅の代わりに、何かお持ちやしたか」
 「鏡餅の代わりは、わしらの顔」
 「福福しい顔やろ、二人とも」
 「お正月そうそう、怒らんかてええや」
 「怒ってしまへん、あきれてんのどす」
 「とりあえず乾杯しまひょか、事始めに」
 「今年もよろしゅうおたのもうします」






「響く」         
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 「この頃よう雪降るなあ」   
 「ほんまどすなあ」    
 「所で、今宵はお一人どすか」 
 「いいや、いつもの悪友が後から」
 「悪友って・・・、あっ!噂をすれば影が射すっていいますけど、えらいもんどすなあ。ほんまに来はりましたえ」
 「おっ、寒うう、えらい降りや」
 「くしゃみしてたやろ」
 「風邪引いたはりまへんか」
 「いいや、ぜんぜん」     
 「女将はん、あかん」            
 「何を二人でごちゃごちゃ言うてんにゃなあ、それはそうと、早よう乾杯、乾杯」      
 「はいどうぞ」            
 「さすが打てば響く、うれしいなあ」    
 「打っても響かんお人が言うてるわ」           
 「何?」
 「まあまあ、乾杯しまひょ、だいぶ先に来て待ってはったんどすえ、悪友を」
 「悪友って・・・」
 「まだ言うてるわ、響かんなあ女将はん」





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「弘法さんに乗せられ 
「なに持っておいやすの」
 「これか、弘法さんで掘り出しもんがあったんやがな、おかあはん、まあ見てぇなあ」
 「古そうな徳利どすなあ」
 「そうやろ。これはな、行きつけの露天のおっちゃんが、あんさんにだけいうて、奥からそっとだしてきてくれたもんやでぇ。なんでも江戸の中期のお公家はんが使うてはった特別の逸品らしいわ」
 「ほんまかいな、あの貧乏やったお公家はんが酒なんか飲んだはったんか」
 「そうどすけど、なんや汚うおすなあ」
 「ほんまに。そやけど、あんなぎょうさんの人が集まって、みんな鵜の目鷹の目で探してんにゃろ、掘り出しもんなんか有るわけないやろ。おっちゃんに乗せられたんやがな」
 「お二人とも見る目がないおひとやなあ、何でこれがわからんのか、不思議やわ」
 「そんなことどうでもええさかい、おかあはん、ビール冷えたんたのんまっさ。こちらはんキーンと冷えたビールで頭覚まさんとどうもならんようやさかい」





「お精霊さんのお迎え  
 「あ~暑、たまらんなあ、この暑さ」
 「ほんまどすなあ。それはそうと今宵はお一人どすか」     
 「今日は連絡せずや」
 「へーえ、珍しおすなあ、槍がふんのと違いますか、何かあったんどすか」
 「いや、別に、たまには一人でゆっくりと飲むときがあってもええやろ。いつもの顔ぶれでは、酒の味もかわりまへんしなあ」
 「今日は、さぞかし美味しおすえ、年に一回か二回ぐらいと違いますか、お一人の時」
 「そんな事あらへんけど、それはそうと、冷えた旨―いビールたのんまっさ」
 「あっ」
 「えっ」
 「いよっ、お二人おそろいでビールの用意までしてお迎えしてくれはって、おおきに」
 「かないまへんな、ええように、ええように考えはって」
 「ほんまにこのお人は、ええとこに来るなあ。あんさんは、得な性格や」
 「老後の明るい生活を送るには、何でも前向きに考えんとあきまへんで、ほんまに」
 「どっちゃでもええけど、乾杯や。女将はんも、まあ」
 「おたくが言わんでも、手が出てまっせ、女将はんの」
 「はい!乾杯!」
 「へえ、おおきに。やっぱり、おいしおすなあ、最初の一杯は」
 「そやけど今宵の女将はんはなんか輝いてるなあ。なんかええことあったんやろ」
 「嘘、いつわりをいわはったらあきまへんえ。ちょっとみえへんおもたら、えらいおべんちゃいわはって。どこでお勉強しはったんどす」
 「こころにもないことを言って女将はんを迷わしたらあかんでえ」
 「こころにもないって、女将はんは、へちゃか、なあ」
 「へちゃって、そんなことあるかいな。女将はんが大好きで三十年通てんのに」
 「へえ、そうどしたんか」
 「あちこちのお姉さんに、そんなおべんちゃらばっかりいうて回って、はんまに、奥さんをもっと大事にせんとあきまへんでえ。もうちょっと正しい愛情生活をせんと」
 「愛情。あんたにだけは、その言葉いうてほしないわ。わしは、おかあさん命って言う、まじめな生活してまっせ。そういうあんたは、毎日毎日、朝帰りで。奥さんからちょっと聞かされてまっせ」
 「人の短所を言うて自分の長所を言っていけまへんって、お釈迦はんもいうたはりまっせ」
 「都合のええことどすなあ、お釈迦はんのせいにしはって。それにしても、お二人ともわらべの時もおありやしたはずどすのに」
 「ついこないだやったなあ」
 「もう夜の街のお勉強は、よろしおっさかい、ちょっとはお釈迦さん言うたはる、十戒をお勉強おしやす」
 「そんなことしたら女将はんとこも来られまへんでえ。お釈迦さんは、酒飲んだらあかん言うたはるさかい」
 「それとこれは別どす」
 「お釈迦さんいうたら、明日、六道さんにお参りにいきまへんか、女将はん」
 「いきまひょ。ちょうどこちらはんのお母さんの初盆どっしゃろ」
 「お精霊(しょうらい)さんをお迎えする珍皇寺付近は埋葬地で有名な鳥辺野に近いさかい」
 「六道の辻」というて、現世とあの世の分かれ道とされて・・・」
 「お母さんをお迎えして、ちゃんと言うてもらいまひょ」
 「ほんまや。お母さんにきつうきつう言うてもらわんと奥さんがかわいそうでかわいそうで」
 「十六日は大文字さんの送り火に送られて、お精霊さんは10万億土のあの世へかえらはんにゃし」
 「それまでに意見してもらわんとな」

 つい二十年前まで、毎晩、居酒屋で、ああでもないこうでもないと、酒を飲み、どうでもいいことに口角泡を飛ばし、話が弾み過ぎ、翌朝、二日酔いとなり、迎え酒となった、こんな日々が懐かしい。
# by hajimerakan | 2006-12-16 09:22 | カウンターの無駄話

愉しみの一品 「初冬」

幻の酒肴あれこれ 
「そば巻き」

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そばといえば日本では、麺が当たり前になっているが、そばは、世界各地で食べられている。そのそばでビールにぴったりの一品。
 まず、そば粉8、小麦粉2の割合をボールにいれ、水を少しづづ加え、とろりとした感じに混ぜ合わせる。フライパンにサラダ油を塗り、直径十cm位のクレープを焼いておく。
 小鍋にトマト水煮に八町味噌少々、酒を加え火にかけ、特製トマトソースを作る。茹で豚肉薄切り、レタス、青紫蘇の葉を千切りに。
そばクレープにトマトソースを塗り、豚肉、レタス、青紫蘇を巻いて食べる。少々タバスコをかけるとビールに合う。
 

幻の酒肴あれこれ 
「鯛ねぎ汁飯」

 酒宴の終いに、ご飯や汁物がほしくなるのが酒飲みの常。潮汁、浅利の味噌汁、茶漬けもいいが、ちょっと贅沢に鯛を使おう。   
 まず、具を用意する。青葱は、5ミリの小口切り。生椎茸は、千切り。鯛は、塩をして、一五分置き、素焼きにして身をほぐす。
 鍋に、先の葱を入れ、しんなりするまで炒りつけ、生椎茸を入れて、さっと火を通し、淡い塩味にし、火を止める。       
 次に、かけ汁を作る。だしを温め、塩、醤油を加えて、吸い物加減のかけ汁を作る。 
 炊き上がったばかりの熱々のご飯の上に、先の鯛、葱、椎茸を盛り、かけ汁を掛ける。



幻の酒肴あれこれ 
「牡丹卵」

子どもの頃は、暑いご飯に生卵、何か特別の日のすき焼きの生卵、東京で生活をしていた二十歳ごろの給料日の即席ラーメンに入れる生卵、実に贅沢なものだった。      
 酒飲みは、総じて卵好きだ。今回は、煎り酒で食べる卵の一品。
 まず、煎り酒は、日本酒二升、削りかつお300グラム、梅干15個から20個入れ、一升ぐらいに煮つめ、漉し、冷ます。煎り酒は、醤油代わりの減塩調味料。保存が利く。
 生卵は、和紙で包んで、酢を入れた熱湯に入れ、半熟に茹でる。決して茹ですぎないこと。器に和紙からゆで卵を取り出す。猪口に先の煎り酒を入れ、生わさびを添えて食べる。


「まぐろ梅おろし」   
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日本人は、鮪が世界一好きだ。少なくなってきた、その鮪を30数年前より近畿大学が養殖を手がけ、素晴らしい成果を挙げている。鮪好きの日本人には、何よりの朗報だ。
 大根をおろし、梅干しは種を除き、庖丁でたたいて梅肉を作り大根おろしと混ぜ合わせ、少し醤油も垂らし入れておく。焼き海苔は火で軽くあぶり、もみ海苔にする。大振りの鮪切り身をさっと表面をあぶり氷水に落としいれ、すぐに取り出し布巾で水気を取り、厚めの刺身にする。刺身に先の梅おろしをたっぷりと載せ、もみ海苔を掛け食べる。旨いねえ。


「うなぎ雑炊、味噌仕立て」  
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 『土用の丑に鰻』という風習は、江戸時代の蘭学者の平賀源内が知人の鰻屋のために「本日、土用の丑の日」と書いて店頭に張り紙をしたところ、大繁盛したことが起源といわれている。が、今の世の庶民も、やはり土用には「うなぎ」だね。
 まず、白みそと赤みそを七対三の割の味噌
汁をつくり、それに、豆腐のつかみ潰しを洗
い飯と共に汁の中に入れ一沸して後、うなぎ
の蒲焼の刻みを入れ、再び一沸し、器に盛り、
それに刻み葱をたっぷり入れ食べる。特に、
夏バテと冷酒をやり過ぎた後にはこれがいい。
  

「レタスのピリ辛スープ」  
 
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 レタスは、紀元前5世紀にエジプト人が、既にレタスを食べていたと言う記録があるようだ。日本では東大寺正倉院の文献に書き残されているようで、以外に歴史がある野菜だ。
 レタスは、洗って千切りにする。ハム、かまぼこも千切りにしておく。卵は、塩、砂糖を少々入れ錦糸玉子にする。
 油で豚ひき肉しっかり炒め、鷹の爪、生姜の微塵切り、テンメンジャン、醤油、コショウで調味して炒め、水を加えてアクを取り、先のレタスなどの千切りと錦糸玉子を入れ2~3分煮て出来上がり。熱々をふうふうと。


                                                                                                                                                                                   




「紅白肴」

師走の京。酒飲みにとって、一番よい季節かもしれない。二十年前、一杯飲んでぶらぶら南座の前。ふっと顔見世が見たくなり、売店で燗酒と幕の内を買って、三階の席へ。ほろ酔い機嫌でゆっくり顔見世を愉しんだ。
冬の酒肴は、何と言っても鍋だが、鍋の合間の肴に、料理に自信のない酒飲みにも自分でできる簡単な酒肴。
山芋と大根は、皮をむき、5mm角のサイコロに切っておく。後は、いくらを潰さぬように優しく和えるだけ。醤油と酢を二、三滴たらす。易しいやさしい一品だ。
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<「芋豆腐」
今、料理人で文人であった大正時代の文筆家、林 春隆が昭和初期に月刊誌「食道楽」
に連載した『新撰豆腐百珍』を読んでいた。それこそ、あっと驚く新鮮な豆腐料理ば
かり。目から鱗が落ちるの感。あれもこれも造って食べたいものばかりだ。温故知新
とはよくいったものだ。
 その中から、幻風にした肴の一品を造ってみよう。先ず、長芋を薄い短冊切り、硬
木綿をゆで、田楽用に切り、それを火にかけ、少しコゲ目を付け、二つ重ねて皿に盛
る。多目の生わさびのすりおろしと八丁味噌を酒、味醂で少し柔らかめに練ったタレ
をかけ食す。ちょっとした酒の肴の逸品だ。旨いよ。
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「大好評のイタリア風揚げパン」

20才前後、数々の映画を見た中で、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」は、我々、若者に強烈な印象を残した映画だった。地中海が太陽にキラキラ輝いている様は、今でも目の前に浮かぶ。これぞイタリアであった。
 “食べる事は、人生だ”というイタリア人の食への情熱に見習うべく、イタリア庶民の味・パンツアロッティをどうぞ。
 茹で上げたじゃがいもをつぶし、卵黄、ドライイースト、砂糖、バター、小麦粉(中力粉)をよく混ぜ、ねって丸めて小一時間ねかす。  モッツァレラチーズ、ハム、マッシュルーム、クレソンのみじん切りを卵黄と混ぜ、ねかせておいたじゃがいもの生地でそれを包み、低温でこんがり狐色に揚げる。  熱いのを口いっぱいほうばり、赤ワインを一口。
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「鱈トロピカル」 /font>

 鱈の旬は、1月、2月だが、この頃冷凍の鱈は四季を通じて手軽に入る食材だ。  ふいの来客があり、もう一品なにかほしい時、簡単にできる酒の肴の逸品。  
冷凍ダラを一口大にブツ切りにしてボウルに入れる。この中に、玉ねぎ1個、トマト水煮缶1個分、ニンニク2~3片、しょうが1片をそれぞれみじん切りにして加える。後は、レモン汁1個分を絞り入れ、オリーブ油大さじ5杯、塩とコショウ少々ふり入れ、それらを充分混ぜ合わせ、2、30分漬け込んでおく。
 次に、鍋に先の鱈の漬け込みを移し、白ワインをコップ1杯加え、とろ火でコトコト煮込む。15分から20分もたてば鱈にも火が通る。最後に、味をみて、火を消す前にパセリのみじん切りをドドッと一杯ほうり込み、でき上がり。  
冷えた白ワイン……。いや、キリッと冷やした大吟醸に旨酒があれば、これに勝るものはない。
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 「浅利の梅風味」

                    
 子供のころ、辻辻を伊勢、鳥羽などから「さかなぁーや、さかな」と、自転車に乗って、新鮮な魚介類を売りに回っていた担ぎの魚屋のおっちゃんの売り声が今でもかすかに耳に残る。春、四月、五月になると浅利を売っていたように思う。旬だ。
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 浅利は、10~15分塩水に漬け砂だしをした後、水切りをしておく。中華鍋を煙が出るぐらいに焼き、油を入れ、微塵切りの生姜と共に浅利を放り込み、酒も適宜入れ蓋をする。浅利の口が開いたら梅肉醤油を掛け回し、出来上がり。梅風味が浅利に合い、酒が進む


連載 ― 幻の春の一品あれこれ
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 帆立は、蛋白質・カルシウム・ビタミン・鉄分などが多く含まれて酒肴によい。今は、養殖帆立があり、一年中食べられ、何月の帆立が特に美味しいとかがないから嬉しい。愉しみの一品 「初冬」_d0005421_7263448.jpg
 帆立を貝から取り、さっと水洗いをし、貝に戻し塩コショウを少々しておく。その後、山椒の若芽を多めに帆立の上にのせ、それにとろけるチーズをたっぷり掛け、下ごしらえが完了。後は、ガスレンジの魚焼き器に入れ、焼き加減を見ながら四、五分で焼き上がる。貝ごと取り出し、さっと醤油を振り掛けておしまい。料理ができないとお悩みの酒飲みにも簡単にでき、旨い一品だ。



「小エビのスペイン居酒屋風」

 スペインの街角には、必ずといってよい程、BAR(バル)と看板をかかげた居酒屋がある。居酒屋の床は、ムール貝やエビの殻や楊子、紙ナプキンが散らかり足の踏み場もないところがある。スペインの酒飲みは、こんな所が旨いという。あまりきれい過ぎても、落着かないと、日本の酒飲みもいう。
 小エビを水洗いし、背わたを楊子で取り除き、水を切っておく。ニンニクのスライス、パセリのみじん切りを用意しておく。愉しみの一品 「初冬」_d0005421_7243276.jpg
 フライパンにオリーブ油をたっぷり入れ、細火でニンニクの香りをじっくりと出す。そこにエビを殻付きのまま入れ、素揚げする。揚がったら塩をサッとふり、みじん切りのパセリをたっぷりとふりかけでき上り。どんな酒にも合う。







連載 ― 幻の夏の一品①

「鱧と青唐・幻風」
さあ、いよいよ、鱧が一番旨くなる夏、真盛り。
祭り魚といわれる通り、京は、祇園祭、浪速は、天神祭とあるが、双方とも、“鱧まつり”と鱧をとりあっている。  
この夏は、幻風で鱧を味わってみよう。  
先ず、活け鱧の骨切りをした上ものを、6、7センチに切り、葛粉をまぶし、熱湯に落とし入れる。
鱧が白い牡丹の花のように咲いた時、熱湯から引き上げ、冷水に落とし、粗熱を取り、ザルにのせ、水気をとり、冷蔵庫へ。  
青唐は、軽く焼色が付くぐらいに、サッと炙り、小口に切り、塩と白醤油で濃目に味を付けた鰹だし汁と一緒に、フードプロセッサーで混ぜ合わせる。
だし汁と青唐が一体となった頃、“青唐だれ”の出来上がり。
冷やした白牡丹を青くよごし、口へ。


連載 ― 幻の夏の一品②

「冷奴と茗荷あんかけ」
硬めの木綿豆腐に軽く重しをして、水気を切って、冷蔵庫に1時間ほど入れておく。  小さいむき身エビをサッと湯通しをしておく。
 愉しみの一品 「初冬」_d0005421_17394253.jpg茗荷は、こまかく小口切りに。  昆布だし汁に、塩、うす口醤油、味醂で、やや濃い目に味をつけ、煮立たせたところへ、水でといた、葛を加え、とろりとさせる。  火から鍋を下し、先のむきエビをまぜ入れ、葛あんを室温まで冷やしてから、冷蔵庫へ。  1丁の豆腐で四人前。四つ切りにした、豆腐をガラスの器に入れ、冷蔵庫から冷やした葛あんを取り出し、その上に豆腐がかぶる位に葛あんをかける。
それに、小口切りの茗荷をたっぷりとのせ、その上に糸切りカツオをかけて出来上がり。  大吟醸の旨酒をキリリと冷し、ご一緒にどうぞ。


連載 ― 幻の夏の一品③

「多菜多彩の究極の素麺」
夏になると、朝昼晩、素麺が続いても飽きない、素麺党がこだわり、とらわれる、色彩豊かな素麺。   
先ず、つけ汁。
昆布だしとたっぷりの鰹節でだしをとり、酒と味醂と醤油で適宜味付けし冷やす。  
素麺は、二、三年もののひね素麺を少し堅目にゆで上げ、充分にもみ洗いをして、大皿に一口分づつ取り分け、ラップして、冷蔵庫へ約二十分。  
最後に、この素麺の華の具と薬味。  
具は、塩茹でのさや隠元の細切り。愉しみの一品 「初冬」_d0005421_188768.jpg胡瓜の千切り。スタッフド・オリーブの小口切り。皮を湯びきし、種をとったトマトの千切り。塩茹でして皮をむいた赤ピーマンの千切り。金糸玉子。乾椎茸の甘辛煮の千切り。細かくほぐした焼き飛び魚の干物。
薬味は、分葱の小口切り。青じその千切り。煎りゴマ。大根おろし。おろし生姜。 
素麺の白に、赤黄緑の映えること。
酒の中休みでも、酒の終いでも良い。



連載 ― 幻の夏の一品④

「冷奴のアボガドソース」
前にもいったかも知れないが、とにかく、酒飲みは、豆腐が好きだ。
お陰さまで、かくいう私もその部類にに入る。
いや、そてを越えて豆腐が好きだ。
考えて見れば、年中豆腐を欠かしたことがないかも知れない。  
アボガドは硬皮をむき、ザクザクと大ぶりに切り、ボールに入れ、アボガド1個に柚子1個の割合でたっぷり絞りかけておく。
愉しみの一品 「初冬」_d0005421_1815592.jpgそれをミキサーに入れ、練り辛子を適当に入れ、ついでに白だし醤油も適当に入れ、スイッチを入れる。
スプーンでとって、とろりと落ちる位がいい。  
あとは、冷奴を器に盛り、貝われのザク切りをその上にのせ、アボガドソースをかければ良し。






連載 ― 幻の夏の一品⑤

「うなぎの蒲焼き紫蘇巻き揚げ」
ある新婚さん二人、姑の留守にこっそりと『ちょっと蒲焼きでも食べに行こか』と店に入り、満足して、店を出た。
悪いことはできぬもの。
姑がまた、うなぎには特に目がないことをその二人は知っていただけに、しばらく難儀をしたそうな。
これが“食当り”かも知れない。  
うなぎの蒲焼きに全体にカレー粉をふりかけ、一口大に切っておく。
そのうなぎに紫蘇の葉を巻き、楊子で止めて、高温の油で、さっと揚げる。
揚げたての熱つあつを口に入れ、あとは、キリリと冷えたビールを…。
旨いよ!これは。
愉しみの一品 「初冬」_d0005421_8294964.jpg







連載 ― 幻の夏の一品⑥

「なすの焙り焼き」
毎年、山形から、8月終り頃か、9月初旬に知人からお贈りいただく、小なすの柿酢漬けは、秀逸だ。愉しみの一品 「初冬」_d0005421_17494431.jpg
かき氷の上に盛って冷やした、あざやかな紺紫色の小なすを丸ごと、噛み切る時のその味は、旨いの何の、たまらない。 その色もご馳走だ。
 子供の頃、畑からもぎとって来たなすを母は、よく油煮にしてくれた。
それも旨かったなあ。  
それも良いが、小さなコンロを出し、炭焼きのナスをするのも良い。
縦2ツ割にした小なすの切り口へ胡麻油を塗って焙り焼きにし、しょう油にタバスコを落としたのに付けて食べる。
焙りたての熱つ熱つの旨いこと、何ヶでも食べられる。ちょっと酢をたらし入れても、また旨い。
# by hajimerakan | 2006-12-12 17:00 | 酒羅漢の酒肴